2022年08月10日

焼肉店に淘汰の波 牛肉高騰「ミートショック」

 新型コロナウイルス下でも経営が堅調だった焼き肉店の倒産が増えている。穀倉地帯であるロシアとウクライナの紛争で肥料となるトウモロコシが値上がりし、食肉価格が高騰する❝ミートショック❞が経営を圧迫しているためだ。今後も獣肉価格は高止まりが予想され、地元に密着した中小の「街の焼肉店」の淘汰が進む懸念も強まっている。

  焼き肉 ミートショック.png

 「ハラミやタンなど国産和牛の内臓系の肉が特に高騰している」

 東京・錦糸町で「炭火焼肉さぶう」を13年営む佐藤佳三代表はため息交じりにこう話す。積数0程度の小さい規模だが地元の人に指示される人気店だ。だが、「良質の肉は購買力のある大手スーパーや海外に流れ、我々のような中小の焼肉店に入りにくくなっている」と訴える。

 東京食肉市場によると、和牛(A4・雌)枝肉は建値(目安)となる7月の加重平均価格が1キロ2477円で前年比で約4%、2年前に比べ2割以上も高い。農林水産省の調査では輸入牛肉(冷蔵ロース)の全国平均小売価格も7月は100グラム327円で前年を1割超上回った。

 「中小の焼肉店の中には卸売から手ごろな肉が手に入らず、大手スーパーから買い付ける店もある」と佐藤氏は明かす。

 また、海外の和牛人気はの高まりは、国内の和牛肉の流通にも影響を与えつつある。令和3年の牛肉の輸出額は前年比86%増の537億円で過去最高を更新。4年1〜6月は前年同期で5%ほど下回るものの高水準で推移。「円安効果もあり、海外に和牛が流れやすい」(畜産関係者)という。

 東京商工リサーチによると、令和3年度の焼肉店の倒産は18件で、過去最少だった前年度の12件から一転して1・5倍に急増。18件のうち、負債1億円未満の倒産は16件と約9割を占め、中小規模の焼肉店の倒産が顕著となっている。

 コロナ禍で飲食業が苦戦する中、強力な喚起能力を持つ焼肉業態は、一人で楽しむ「一人焼肉」のヒットもあり、消費者に「3密」回避の安心感が認知されて根強く生き残ってきた。だが、この❝安定性❞に大手外食が注目したことで状況は一変。居酒屋大手ワタミが一部既存店を「焼肉の和民」に転換し、大手ラーメンチェーン幸楽苑ホールディングスは一人焼肉業態「焼肉ライク」を郊外展開するなど、牛肉価格の上昇に新規参入が重なり経営環境が厳しくなった。東京商工リサーチは、光熱費や食材高騰が続く中、「中小の倒産が高水準で推移する可能性が高まっている」と分析している。
                       産経新聞
posted by 鏑木歯科 at 10:08| 鏑木歯科日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする