2023年03月01日

「仁義を切って」「鉛筆なめなめ」は通用しない? 「おっさんビジネス用語」の使い方と落とし穴

 「よしなに」「一丁目一番地」「えいやで」・・・。一定の世代の社会人が職場で多用しがちなフレーズが交流サイト(SNS)を中心に話題だ。人呼んで「おっさんビジネス用語」。独特な言い回しを面白いと思う人がいる半面、分かるようでわからない言葉も多く、若い社員が困惑するケースもある。送り手と受け手で認識の差があれば、「誤解を生む可能性がある」(専門家)。効果的な使い方と落とし穴をまとめた。

 おっさんビジネス用語.png

■上司との距離が縮まる?

  「新入社員時代、上司の発する言葉の意味が解らず混乱した」と話すのは、東京都の30代の男性社員。車内で資料をつくっていると、先 
 輩から記載する数値についてこうアドバイスされた。「厳密スギ、『鉛筆なめなめ』でいいよ」。ニュアンスから、本当に鉛筆をなめること
 は求められていないとわかる。それでも真意がくみ取れず、その場で戸惑ってしまった。

  似たようなケースはその後も続いた。他部署と担当がまたがる案件を処理する際、「(他部署に)仁義を切って」「事前に交通整理し
 て」。
 
 目の前を飛び交う難解なビジネス用語に長年悶々としていたが、「言葉の意味を他の人に聞いたり、自分で調べたりするうちに興味を持っ
 た」(男性)。昨年7月、24のおっさんビジネス用語を並べた独自のビンゴゲームを作成し、自身のツイッターで後悔した。

  裏小作を意味する「寝技」、企画などをいったん白紙にする「ガラガラポン」。実際の職場で飛び交っていた用語を中心に選出した。ツイ
 ッターで反響が広がり、男性は自信が働く金融業界以外にも広く利用されているとも知って驚いた。現在は上司や年配の取引先と距離を縮め
 るために意図的に用語を使用していると明かす。

■「ついつい多用してしまう」

  独自の言い回しが癖になるおっさんビジネス用語。日常ではどんなシーンで使われているのか。

  大阪府富田林市の男性会社員(51)が日常的に使うのは「よしなに」。いい具合に、などをを意味するフレーズで「誰かに何かをお願い
 する時に、『よしなに頼みますわ』と使ってしまう」と話す。新入社員時代から頻繁に使用してきた。「『よろしく』とストレートに伝える 
 よりも、柔らかい印象で相手にお願いできるからついつい多用してしまう」という。

  一方、啞然とする若者もいる。「一丁目一番地で進めて」。大阪市中央区の女性会社員(27)は新人時代、上司から高支持されたもの
 の、意味がよくわからなかったと明かす。政治家たちがよく口にする「最優先事項」を意味する用語で、今では使い方も含めて理解できるよ
 うになったが、「若手には意味が通じないこともあるので使おうとは思わない」(女性)

■使い方には注意も必要

  専門家の見方はどうか。武庫川女子大の佐竹英雄名誉教授(日本語学)はいわゆるおっさんビジネス用語について、「ビジネスという概念
 が一般社会で定着した高度成長期以降に、俗語的な意味合いで使われてきた」と誕生の経緯を推測する。

  個人差はあるが、「(主に)50代以上の人たちが、若い時に慣れ親しんだ感覚で使っている印象がある」と佐竹氏。直接的な表現を避
 け、大半に俗語や隠語に近い性格があるのが特徴という。その上で俗語や隠語には「仲間意識を生んだり、職場でのコミュニケーションを円
 滑にしたりする役割も担う」と指摘。表現を楽しんだり、ぼかして行ったりする場合も便利なフレーズと分析する。

  ただ用語の大半に、明確な定義がないのは落とし穴と言える。佐竹氏は「送り手と受け手で言葉のイマージが異なり、正確に伝わらなかっ
 たり、誤解を生んだりする可能性がある」。特に具体的な指示が必要な場面での使用には注意が必要だ。

  それでもおっさんビジネスよ言う語は職場の潤滑油になることがある。コンプライアンス(法令順守)重視やハラスメント(嫌がらせ)防
 止を意識するあまり、世代間交流が希薄になりがちな昨今こそ、「よしなに」した使い方が求められるのではないか。
                         産経新聞 
  

posted by 鏑木歯科 at 16:14| 鏑木歯科日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

昨年の子供の自殺、過去最悪の512人・・・4割が男子高校生

 昨年に自殺した小中高校の児童・生徒は512人で、過去最多だったことが28日、文部科学省のまとめで分かった。これまでは2020年の499人が最多だった。厚生労働省などの統計(暫定値)から集計した。

 内訳は小学生が17人(前年比6人増)、中学生が143人(同5人減)、高校生は352人(同38人増)。特に高校生の男子は207人と、前年より38人増えた。月別では、6月(60人)、9月(57人)、3月(47人)の順に多かった。

 厚労省のまとめによると、19歳以下の自殺の理由(複数の場合あり)は「学業不振」が104人で最も多く、「進路に関する悩み(入試以外)」が84人、「入試に関する悩み」が40人だった。

 文科省は、高校生の自殺者の増加が目立つことから、各教育委員会にアンケート調査を行い、原因を分析する。また「24時間子供SOSダイヤル」(0120・0・78310)で、児童・生徒や保護者からの相談を受け付けている。
                                          読売新聞
posted by 鏑木歯科 at 08:15| 鏑木歯科日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする