新型コロナウイルスが5月8日から季節性インフルエンザと同じ「5類」となった後も、政府は9月末まで患者、医療機関それぞれに特例的な支援を続ける方針だ。患者の自己負担はどれくらいになるのか。なぜ特例を続けるのか。
コロナの外来医療費は、これまで初診料のみ患者が自己負担してきた。
5類になれば検査料、薬の処方量、カロナールなど解熱剤代、診療報酬の特例加算分について患者が新たに負担することになる。
9万〜25万円と高額なコロナ治療薬代は引き続き公費で負担することで、政府の試算では、自己負担は3割で最大4170円。。季節性インフルエンザで外来にかかり、解熱剤とタミフルを処方された場合の自己負担額(最大4450円)に近づく。厚生労働省幹部は「インフルの負担額と同じくらいに抑えられ、国民も納得巣てくれるはず」とみる。
入院医療費は現在無料だが、5類移行後、高額療養費制度を適用してもなおインフルの入院費より和知高になるため、月に最大2万円を補助する。
政府の試算では、75歳以上で、住民税課税対象の年収383万円未満の中等症患者が10日間入院した場合、自己負担は3万7600円となる。
コロナに対応する医療機関への支援も続ける方針だ。
コロナ患者を外来で見たり入院で受け入れたりした医療機関について、診療報酬の「特例加算」の総額を現在の半分ほどに減らすものの、継続支出する。専用病床をあけて協力した場合の「病床確保料」も単価を引き下げたうえで、引き続き支払う。
患者、医療機関いずれに対しても特例的な支援を続けるのは、政府が「激変緩和措置」が必要だと判断したからだ。
5類移行後、患者の自己負担が急に高額になれば、受診が必要なのに我慢して今う事態が起こりうる。
医療機関に支援がなくなれば、院内の感染対策や医療者の確保に必要な費用を捻出できず、コロナ対策を止めてしまう恐れがある。日本医師会は「5類になってもコロナの感染力が変わるわけではない」と主張している。
朝日新聞