政府が進める少子化対策の一環として、育児休業給付を手取りの10割相当に引き上げる制度案の概要が判明した。制度を所轄する厚生労働省は、両親ともに14日以上の育児休業取得を条件に、28日間を上限として給付率を引き上げる方針。労使による議論を踏まえ、2025年度からの実施を目指す。
育児休業は、原則として子が1歳になるまで取得できる。現行の給付率は最大67%で、手取りの8割に相当する。政府が6月に決定した「子ども未来戦略方針」ではさらに取得を促すため、最大28日間を限度に給付率を約80%に引き上げ、手取りの10割相当とする案が示されていた。
現在、育児休業の取得は女性に偏っており、男性の取得を促進する必要性が指摘されている。
その上、子育て中の男性の約5割が2週間未満の取得にとどまっている実態を踏まえ、厚労省は給付率の引き上げ条件を「両親ともに14日以上の取得」にした。特に育児に手がかかる時期の取得を促すため、男性は出生直後の8週間以内、女性は産休後8週間以内の取得を要件とする。
ひとり親、あるいは片方の親が自営業やフリーランスで雇用保険に加入しておらず受給資格のない場合は、必ずしも配偶者の取得を要件としない方向で検討している。
毎日新聞