奈良交通は奈良市の本社で入社式を開き、18人が新たな門出に気を引き締めた。このうち一人は男性バスガイド。創業から約81年の歴史で初めてだ。
「女性が多いからと言って、男性だからできないことはない」。同社初の男性バスガイドとなった春山大地さん(18)は笑顔で語った。
目指したきっかけは、高校2年の時に訪ねた沖縄への修学旅行だ。歴史や文化をわかりやすく解説するバスガイドを見て、誰かの思い出に残る仕事に就きたいと思うようになった。
もともと旅行が好きだったこともあり、高校3年の8月、進路選択をする時期になると、観光業を中心に求人票を読み込んだ。その中に奈良交通の案内を発見。要項には「バスガイド」の文字があった。「お客さんが笑顔になるような仕事ができるかもしれない」と応募を決めた。
奈良交通によると、ガイドの募集に性別の制限は設けておらず、過去にも男性からの応募はあったが、採用には至らなかったという。春山さんはバスガイドに女性が多い印象は持っていたが、「やりたいことをやるのが一番」と面接を乗り越え、10月に内定をつかみ取った。
奈良は文化財が多い観光地。歴史は少し苦手だと話す春山さんだが、内定後は日本史の教科書や資料集を読んで勉強に励んだ。
1日の入社式は、バスガイド用の制服を着て、緊張の面持ちで辞令を受け取った。5月中旬まで研修があり、京都や奈良を回るコースでデビューを果たす予定だ。「いろんな世代とかかわれるのも楽しみ。がんばります」と意気込んだ。
毎日新聞
2024年04月02日
2024年04月01日
残業規制、4業種でスタート 運転・建設・医師など就労改革
働き方改革関連法案に基づく時間外労働(残業)の上限規制が1日、自動車運転業(トラック、バス、タクシー)、建設業、医師、鹿児島・沖縄両県の製糖業の4業種に導入された。過労死まで招いた長時間労働の反省から始まった働き方改革の節目で、就労環境の改善が期待される。
一方で既に顕著だった人手不足がさらに深刻化。物流停滞、建設工期の遅れなど景気の減速要因となる「2024年問題」として強い懸念の広がっている。公共交通、医療提供体制への影響も中止され、社会全体で働き方を問いただす契機となりそうだ。
この規制自体は19年から多くの業種で導入されていた。4業種は業務特性から長時間労働が常態化し、早期導入が難しいと判断。改善を図るため5年間猶予してきた。
新たに、自動車運転業に「年960時間以下」などとする上限を導入。時間数や例外規定は業種により異なる内容だ。
政府によると、物流分野で十分な対策が講じられない場合、24年度に輸送能力が14%、30年度には34%不足すると推計される。
共同通信
一方で既に顕著だった人手不足がさらに深刻化。物流停滞、建設工期の遅れなど景気の減速要因となる「2024年問題」として強い懸念の広がっている。公共交通、医療提供体制への影響も中止され、社会全体で働き方を問いただす契機となりそうだ。
この規制自体は19年から多くの業種で導入されていた。4業種は業務特性から長時間労働が常態化し、早期導入が難しいと判断。改善を図るため5年間猶予してきた。
新たに、自動車運転業に「年960時間以下」などとする上限を導入。時間数や例外規定は業種により異なる内容だ。
政府によると、物流分野で十分な対策が講じられない場合、24年度に輸送能力が14%、30年度には34%不足すると推計される。
共同通信