2024年04月15日

裁判長「原告らは死刑を甘受すべき立場」「確定した刑事判決を無意味にするもので許されない」 死刑執行を直前に言い渡すのは違憲とした死刑囚2人の訴えを大阪地裁が全面的に退ける

 死刑の執行を直前に言い渡すのは「法に基づいていない」「尊厳をもって最期を迎えることができない」などとして死刑囚2人が国を訴えた裁判で大阪地裁は15日、死刑囚らの訴えを全面的に退けました。

 訴状などによりますと、国内で収容されている死刑囚の2人は、死刑執行の告知が執行の1〜2時間ほど前である習慣について、「即日告知・即日執行の行政運用で、法により認められた『不服申立等の権利』の行使ができないという不利益を受けてい「心の準備ができずに尊厳をもって最期を迎えることができない」といったことから違憲であるなどとして、国に対し、告知後すぐに刑を執行しないことや、損害賠償を求め、訴えを起こしていました。

 これまでの裁判で、国側は「前日までの告知で死刑囚が自殺したこともある。また、円滑に刑を執行するため、直前に告知することが合理的である」として棄却を求めていました。

 一方の原告側は「前日までに告知することで死や犯した罪と向き合うことができていた」などと反論していました。

 15日の判決で大阪地裁は「(原告らは)死刑を甘受すべき立場にあり、今回の訴えは死刑執行自体をうるさないとする主張にもつながり、確定した刑事判決を無意味にするもので許されない」などとして、直前の告知に対する訴えを却下し、原告らが求めていた損害賠償についても「法的地位ないし利益を有するとは言えない」として訴えを棄却しました。
                                  ABCニュース
posted by 鏑木歯科 at 15:31| 鏑木歯科日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

かつて事前告知だった死刑執行 当日告知は違憲か きょう地裁判決

 「今日と明日と、2日間の面会だから。アレも言い忘れた、これも言うときゃよかったということがないようにね」

 大阪拘置所の職員からそう促され、女性は個々の収容されている弟との面会に臨んだ。

 弟は、2日後に死刑が執行されると決まったばかりの死刑囚だ。

 弟はこの日も、翌日も姉と思い出話を続けた。職員に「名残りは尽きないが」と遮られると、姉に「笑って別れましょう」と言い、絞首台に向かっていった。

 一連の音声は1955年、当時の拘置所長が「職員教育」の名目で回したオープンリールのテープに残っていたものだ。

 かつては執行の1〜2日前に、その予定を死刑囚に伝えていた時代があった。

 今は違う。死刑囚は執行の1〜2時間前に告知を受け、刑場に連行される。

 こうした運用について、2人の死刑囚が国を相手に提訴した。不服申し立ての制度があるのに行使できず、不必要に残酷だ。「適正な手続きによらなければ処罰されない」と定めた憲法31条に反するーーと訴えている。

 国は執行の告知について定めた法令がなく、そもそも告知をしなくても違法にならないと反論した。当日告知にしたのは、前日に告知した死刑囚が自殺したためで、今の運用は「円滑な執行のための合理的な方法」と主張している。

 この訴訟の判決が15日午後2時、言い渡される。

 死刑制度の運用を巡っては、ほかに「絞首刑の残虐性」「再審請求中の執行の是非」を問う2件の訴えが大阪地裁に起こされている。

 3訴訟を担う金子武嗣弁護士は「死刑制度は国民も実態をほとんど知らない。訴訟によってブラックボックスに小さくてもいいから風穴を開けたい」と話す。
           朝日新聞               
posted by 鏑木歯科 at 09:02| 鏑木歯科日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする