2024年07月05日

中国、沖ノ鳥島北方の日本の大陸棚にブイ・・・太平洋では異例

 日本最南端・沖ノ鳥島(東京都)北方に位置する日本の大陸棚・四国海盆海域に先月、中国公船が浮標(ブイ)を設置したことがわかった。政府関係者が明らかにした。中国はこれまで尖閣諸島(沖縄県)周辺など東シナ海でブイを設置してきたが、太平洋の日本管轄海域では極めて異例。政府はブイの詳細や設置目的に分析を進める。

 中国によるブイ設置を巡っては昨年7月、大型作業船「公陽紅22」が、尖閣諸島の魚釣島から北西約80キロの端唄的経済水域(EEZ)内に、直径10メートルの海洋調査ブイを無断で設置した。ブイで収集した並みのデータなどを人工衛星で送信しているとみられる。政府は日中首脳会談や外相会談などで即時撤去を求めてきたものの、中国は応じていない。

 複数の関係者によると、同じ公陽紅22が先月5日に上海を出港し、東シナ海から大隅海峡(鹿児島県)を通過して太平洋に出た後、先月中旬、四国海盆域内でブイを設置した。昨年7月のブイよりも小型で、近くを航行する船から夜間も見える発行機がついている。

 四国海盆海域は日本のEEZに囲まれ、広さは国土面積(37.8万平方キロ・メートル)の5割近くに相当する。付近に島がないためEEZの域外になるが、国連の大陸棚限界委員会は2012年、沖ノ鳥島を起点とする日本の大陸棚として新たにに止めた。国連海洋法条約により、日本はこの海域での海底の探査や資源開発について、主権的な権利を行使できる。

 大陸棚はEEZと異なり、上部水域での海洋調査には沿岸国の同意は必要ない。ただ、同海域の海底はレアメタルを含んだ鉱物資源が分布していると指摘されており、今回のブイが改定の探査などに関係する場合、同条約に反する可能性が高い。

 一方、中国は沖ノ鳥島について「島ではなく岩であり、日本の大陸棚やEEZの起点にできない」とする独自の主張を掲げ、同島周辺をはじめとする西太平洋で海洋調査や軍事演習を繰り返している。東シナ海と同様に今後、太平洋側でも日本EEZ内にブイを設置する恐れもあり、政府は警戒・監視を強化している。
                              読売新聞
posted by 鏑木歯科 at 09:25| 鏑木歯科日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする