不要不急の救急搬送を受けいれた大病院が患者から追加費用の「選定療養費」を徴収する茨城県主導の仕組み構築に関し、県医師会の松崎信夫会ちぃうは理解を示したうえで、「適切に救急車を利用することを県民に周知し理解してもらいながら始めていくべき」と、適切利用に向けた啓発の重要性を強調した。8日、同県水戸市内で開かれた定例記者会見で明らかにした。
選定療養費は、一般病床数が200床以上の大病院を紹介上無しで受診した場合にかかる費用。県によると、県内ではこれまで救急車で運び込まれた患者から徴収していない。新たな仕組みには県内大病院の9割超が参加意向で、県は2月の運用開始を目指す。
会見で松崎会長は、軽症患者の救急搬送により、重症患者を搬送できなくなる事態を危惧し、県主導の仕組みづくりについて「理解はしている」と述べた。一方で、県民への救急車の適切利用の周知や理解促進が「一番大事」と指摘した。
県医師会はすでに県に対し、新たな仕組みについて、丁寧な周知活動や、統一的で透明性のある運用基準の作成を要望したという。高齢者の受診控えの懸念も一部医師から上がったとし、協議を進める中で適切な基準の作成を図っていく方針だ。
茨城新聞