自民党千葉県連会長の桜田義孝・元五輪相(74)=衆院比例南関東=が30日、衆院選に立候補せず今季限りで引退することを文書で表明した。
この日夕、「引退のご報告」と題する文書が報道各社に配布され、桜田氏は「年末で75歳を迎えることから、今季をもって衆議院議員としての役職に、一区切りをつける時期に差し掛かってきたのではないかと感じております」と説明。外務政務官時代に「えひめ丸」事件の対応のため被害者家族と米国との間で奔走したことなど、これまでの議員生活を振り返り、党関係者や地元支援者らに謝意を示した。
■突然の表明 関係者も驚く
桜田氏の突然の引退表明に、関係者は一様に驚きと困惑に包まれた。
この日午前に桜田氏から電話で引退の意思を告げられたという県連の阿部紘一幹事長は朝日新聞の取材に、「前日もお会いしていたが、そんな話は全くなかったのでびっくりした。口径の公認候補は公募する方向で調整するが、日程が詰まっているので大変だ」と漏らした。
桜田氏が地盤とする地元・柏市の円谷憲人市議(自民)は、桜田氏の元秘書。この日午後3時ごろ、桜田氏から電話で「年齢のことを考えた。体調がよくない。選挙を戦える体調にない」と引退の意思を告げられたという。最近は移動する際、杖をついていたという。
円谷氏は「時期衆院選の投開票まで時間がなく、後継者探しの公の動きはないため、桜田氏が立候補するものと思っていた」。そのうえで、衆院比例区での「73歳定年制」に言及し、「(桜田氏が)選挙に臨むのは厳しい状況だった。体調不良で精力的な政治活動ができない中、総選挙が目の前に迫り、石賀茂新総裁の早期解散の判断が影響したのでは」との見方を示した。
朝日新聞