石破首相(自民党総裁)は28日、自民、公明両党が衆院選に大敗して衆院で過半数に満たない少数与党となったため、野党の国民民主党の玉木代表に対し、政策ごとに連携する「部分連合」を呼びかける方針を固めた。国民民主との協力で経済対策の実現や法案作りを図り、体勢を立て直したい考えだ。
首相は28日、自民党本部で記者会見し、「厳しい安全保障、経済環境の中にあって国政は一時たりとも停滞が許されない」と述べ、続投の意向を表明した。
11月中にも取りまとめる総合経済対策と財源の裏付けとなる2024年度補正予算案については「党派を超え、優れた方策を取り入れたい」と述べた。
自民幹部によると、首相は玉木氏が重視する電気、ガス代の値下げなどの家計支援策を経済対策や補正予算案に盛り込み、国民民主の賛同を得て臨時国会で予算案を成立させたい意向だ。
首相はこれに先立って召集される特別国会での首相指名選挙でも、自らの使命に向け、玉木氏に協力を要請することを検討している。指名選挙は、自公のひょいだけでは過半数に達せず、上位2人の決選投票にもつれ込む見通しのためだ。
一方、自民の小泉進次郎選挙対策委員長は28日、選挙結果を受け、首相に辞表を提出して受理された。首相は記者会見で牧原法相と小里農相が落選したことに関し、「後任を適宜適切に早急に決めなければならない」と述べた。
埼玉14区で落選した公明の石井代表も28日、党本部での記者会見で「国会議員でなくなれば、代表を続けることに困難が伴う」と語り、辞任する考えを示した。公明は11月9日にも党大会を開き、後任を選出する構えだ。
読売新聞
2024年10月29日
「私が辞めなければ政権持たない」、自民・小泉進次郎 首相・幹事長の慰留振り切り辞任
自民党の小泉進次郎氏が28日、選対委員長を辞任したのは、党執行部の誰かが与党過半数割れの責任を取らなければ、石破茂政権が批判に耐えきれず、退陣は避けられないとの危機感を抱いたからだ。小泉氏は首相と森山裕幹事長に慰留されたが、振り切った。
衆院選の大勢が判明した28日未明、小泉氏は党本部の一室で、首相と森山氏と向き合った。大敗を受け辞任する考えを伝えた小泉氏に対し、首相と守屋菓子は留意を促した。だが、小泉氏の意思は固かった。
「それでも私が辞めなければ政権が持ちませんよ」
党内では与党の過半数割れを受け、小泉氏の辞任▽森山、小泉両氏の辞任▽首相退陣ーの3つの隕石案が取り沙汰された。小泉氏は27日夜のテレビ番組で「いかなる形であろうと私が責任を取る」と語った。
首相らは執行部の枠組み維持を説いたが、小泉氏は自身が責任を取ることで、政権への打撃を最小限に抑えられると主張。首相らは最終的に慰留を断念し、辞表を受理した。小泉氏は28日、記者団に「選対委員長が責任を取るのは最低限必要だことだ」と辞任の理由を説明した。
ただ、首相や執行部への批判はやんでいない。与党過半数割れは平成21年以来で、党幹部の一人は「1人が腹を切ってすむ話ではない」と漏らす。小泉氏に近い中堅議員は「(首相らへの)恨みはみんな持っている。『石破おろし』が始まるだろう」と語った。
産経新聞
衆院選の大勢が判明した28日未明、小泉氏は党本部の一室で、首相と森山氏と向き合った。大敗を受け辞任する考えを伝えた小泉氏に対し、首相と守屋菓子は留意を促した。だが、小泉氏の意思は固かった。
「それでも私が辞めなければ政権が持ちませんよ」
党内では与党の過半数割れを受け、小泉氏の辞任▽森山、小泉両氏の辞任▽首相退陣ーの3つの隕石案が取り沙汰された。小泉氏は27日夜のテレビ番組で「いかなる形であろうと私が責任を取る」と語った。
首相らは執行部の枠組み維持を説いたが、小泉氏は自身が責任を取ることで、政権への打撃を最小限に抑えられると主張。首相らは最終的に慰留を断念し、辞表を受理した。小泉氏は28日、記者団に「選対委員長が責任を取るのは最低限必要だことだ」と辞任の理由を説明した。
ただ、首相や執行部への批判はやんでいない。与党過半数割れは平成21年以来で、党幹部の一人は「1人が腹を切ってすむ話ではない」と漏らす。小泉氏に近い中堅議員は「(首相らへの)恨みはみんな持っている。『石破おろし』が始まるだろう」と語った。
産経新聞