2024年11月27日

自衛隊「採用年齢」引き下げの裏側

 防衛省は10月から自衛官の採用年齢の上限を引き上げた。現行の26歳までを32歳までとし、1990年以来28年ぶりの措置となった。背景には慢性的な退院不足があり、少子化・人口減少に備えて人員構成の見直しを図ったことになる。

「より高く」と公募意見

 これまで20代半ばぐらいまでが相場だった任官できる年齢が6歳引き上げられた結果だ。従来は18歳以上の若い隊員、高校を卒業したての新人隊員で養成され、「下士官」である曹クラスになってさらに活躍することが理想とされてきた。しかし、2014年度から17年度まで4年連続で主力隊員の採用数が計画を下回り、人員不足はより深刻となり、32歳で入隊OKとなった。

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 8月に省令改正のため行った防衛相のパブリックコメント(意見公募)はその是非を問うたものだった。メールなどで一般から意見を募ったところ、13件すべて(公開分)が「賛成」。中には「国家へ奉仕したいと考える国民が、年齢のためにそれを諦めなくても済むように、年齢制限はより高く設定すべき」「引き上げ年齢について、もう少し引き上げてよいではないか」「士や曹に限らず幹部についても、民間からの登用を進めるべきと考えています」など、さらなる採用年齢上限の引き上げを期待したり、民間で勤務経験のある人を患部にリクルートする案もあった。

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 反対意見が全くなく、一糸乱れず賛成意見で埋め尽くされたのは自衛隊関係者の方が多かったのだろうか・・・

 53歳定年引上げ?

 「応募者数そのものは減少傾向にあり、人材を確保するために自衛官の定年延長など各種の施策について検討している」。2018年8月に菅官房長官は記者会見で、階級に応じて53歳からとなっている自衛官の定年引上げの可能性について言及した。

 「精強さを保つため、若年定年制及び任期制という制度を採用」。「退職年齢は、幹部・准尉・曹で大部分が54歳〜56歳、士で大部分が20歳代という若さです」。防衛省・自衛隊のホームページでは民間企業や一般公務員とは違う定年制について、こういう文章で説明されている。

 採用上限や定年制の引き上げは、有事や災害派遣で力を発揮する自衛隊全体の高齢化をもたらすことになる。ある意味、少子化が進む日本社会の現実を反映した措置だった。ただ、これまでの「精強さを保つため」との整合性は問われるであろう。
                              共同通信
posted by 鏑木歯科 at 10:23| 鏑木歯科日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「自衛官候補生」の廃止検討 処遇改善、初任給引き上げ

 政府は26日、自衛官の処遇改善に向けた関係閣僚会議を首相官邸で開いた。約3か月間の基礎的教育訓練を受けるため初任給が低く設定されている「自衛官候補生」制度を廃止し、当初から自衛官として採用する案を提示した。自衛官候補生の初任給は15万7千円だが、新制度では19万8800円となる。2026年度採用からの適用を想定する。

 候補生は自衛官の身分を有していないため、有事などの際に自衛隊に行動命令が出ても任務に従事することはない。防衛省によると、新制度では採用直後でも任務に就くことが可能になる。実際には入隊後の訓練状況などを考慮するとしている。
                                              共同通信
posted by 鏑木歯科 at 09:24| 鏑木歯科日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする