マダニが媒介する感染症は死に至ることもあり、厚生労働省は、最近人気のキャンプなど野外で活動する人たちに注意を呼びかけている。
感染研によると、日本紅斑熱は近年感染者が増加傾向にあり、17年には337件を記録。18年は305件、19年は318件報告されていた。19年は13人が死亡した。
20年の感染報告が増えたことについて、感染研派遣さ体制の充実に加え、規制する歯科やウサギなどの野生生物の生息域が国内で拡大するとともに、ウイルスを持つマダニも広く分布するようになったともみている。
同様にマダニが媒介する感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」は19年に102件、20年には75件の感染が報告された。従来は西日本を中心に報告されていたが、17年に千葉県、今年3月に静岡県で感染者が確認されるなど、以前よりも広がりつつある。
こうした中、厚労相が注意喚起の対象に選んだのがキャンプをする人たちだ。日本オートキャンプ協会によると、20年にキャンプをした人は推定610万人。コロナ禍で前年比30%減だが、「密」を避けられるレジャーとして注目され、新たに始める人が増えている。
このため厚労相は、キャンプを題材にしたアニメ「ゆるキャン△」と連携したポスターを作成し、野外で長袖長ズボンを着たり、虫よけ薬を使ったりして、ダニの侵入を防ぐ工夫を助言。ダニはペットに付着することもあり、ブラッシングや投薬といった対策も必要と呼びかけている。
時事通信社
【関連する記事】
- 客の「心理」最優先 接客業、マスク対応苦慮
- 新型コロナ5類へ引き下げ 5月8日から
- 相続人なき遺産、647億円が国庫入り 21年度過去最高
- 健康寿命に欠かせぬ歯並び シニアも矯正歯科治療
- 中国、制限なし春節スタート 旅客倍増、感染拡大警戒
- 新型コロナ「5類」に引き下げ きょう方針決定へ 岸田総理が関係閣僚と協議し検討指..
- 介護職員の3%賃上げ、4分の1が制度活用せず・・・厚労省は手続き簡素化で利用促進..
- 数学の大家、佐藤幹夫さん死去 94歳 「佐藤超関数」など理論示す
- 南海トラフで20年以内に巨大地震「60%程度」に引き上げ・・・「いつ起きても不思..
- アトピー性皮膚炎の❝かゆみ❞原因を解明し薬を発見 佐賀大学医学部の教授らが発表